着物の丸洗いとは?
「着物もクリーニングできますか?」
お客様からよくいただくご質問です。
洋服と同じように、着物もクリーニングをすることができます。
ただし、着物の場合は一般的な洋服とはお手入れ方法が異なり、『丸洗い』という方法でクリーニングを行うのが一般的です。
「丸洗い」とはどのようなお手入れなのでしょうか。
着物の丸洗いとは、着物をほどかず、そのままの状態で専用の≪石油系有機溶剤≫を使用して洗浄します。
洋服のドライクリーニングに近いですが、着物は絹や染料が非常にデリケートです。
そのため、着物専用の設備や技術で、風合いや色合いを損なわないよう丁寧に洗浄します。石油系有機溶剤を使って丸洗いをすれば、生地が縮みにくく、風合いや生地への負担を抑えながらお手入れすることができます。
丸洗いをすれば、すべての汚れが落ちて、きれいになるの?
いいえ、残念ながらすべての汚れが落ちるわけではありません。
丸洗いが得意なのは、次のような汚れです。
- ファンデーションや皮脂汚れ
- ホコリ
- 排気ガスなど空気中の汚れ
丸洗いでは軽い油性の汚れを落とすことが可能です。
数時間の着用で、軽い汚れのみでしたら丸洗いだけでも十分きれいになります。
しかし、汗や飲み物などの汚れは、丸洗いだけでは十分に落とすことができません。
また、油性の汚れであっても、汚れが強く付着している場合は、丸洗いだけでは落としきれないことがあります。
では、丸洗いでは落としにくい汚れとはどのようなものなのでしょうか?

丸洗いでは落としにくい汚れとは?
水性の汚れ
- コーヒー、ワインなどの飲み物
- 汗
- 血液
上記のような汚れは、丸洗いのみでは落とすことができません。
なぜなら、丸洗いで使用する石油系有機溶剤は、水とは性質が異なるため、水に溶けやすい水性の汚れを十分に取り除くことができないからです。
また、水性の汚れ以外に落としにくい汚れがあります。
- 食べこぼし
- 泥はね
- 古いシミ
- 時間が経って変色したシミ
丸洗いでは落ちにくい汚れには、「しみ抜き」が必要になります。
しみ抜きは、お見積りをしてから行うことが一般的です。

「着物を丸洗いに出したのに、汚れが残っていた!」というお声も聞くことがありますが、これは丸洗いが失敗したのではなく、汚れの種類に合った別のお手入れが必要だったということなのです。
丸洗いは毎回必要?
毎回丸洗いをする必要はありません。
例えば
- 数時間しか着ていない
- 汚れが付いていない
- 汗をほとんどかいていない
- 汚れもなく、すぐに着る予定がある
このような場合は、しっかり陰干しをしてから、きれいに畳んで収納するだけで十分なこともあります。
一方、
- 長時間着用した
- 暑い季節に着た
- 汗をかいた
- 次に着る予定が先、または未定
このような場合は、着物の状態を確認したうえで、丸洗いや汗抜きなどのお手入れをおすすめします。
お手入れに出すタイミング
おすすめは
-
- 夏や冬など季節の終わり
- 次に着る予定がない、いつ着るかわからない
- 汗をかいた後
- 数回着用した後
特に夏物や単衣は汗をかきやすいため、早めのお手入れがおすすめです。
詳しくは、先述の「着物は毎回クリーニングが必要?」をお読みください。
丸洗いは、着物を長く美しく着るための基本的なお手入れです
ただし、丸洗いですべての汚れが落ちるわけではなく、汚れの種類によってはしみ抜きが必要になる場合もあります。
着物のお手入れは、どの汚れに何の処置が必要かを正しく判断する必要があります。
大切な着物を長く楽しむためにも、着用後のお手入れや保管前の点検を心がけましょう。
気になる汚れやお手入れ方法が分からない場合は、当店にお気軽にご相談ください。

